ニュースで学ぶ国際経済学入門:アメリカの対中関税から見える関税の仕組みと貿易理論

経済学

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はじめに:関税のニュース、ちゃんと理解できていますか?

2025年4月、アメリカが中国からの輸入品に対して104%もの関税を課すというニュースが世界を駆け巡りました。

そして、中国が報復関税を発表したのに対し、更なる追加関税を発表。2025年4月11日現在では125%がかかっています。

「なんでそんなに?」「関税ってそもそもどういう仕組み?」

こうした疑問を持った方も多いのではないでしょうか。

この記事では、この話題をきっかけに、関税の基本的な仕組みと、国際経済学の入門的な考え方をわかりやすく解説します。ニュースを“わかる”に変えて、知識として自分のものにしていきましょう!

僕は一橋大学大学院の経済学研究科で行動経済学について研究していました。経済学の面白さ、社会での有用性を広げるため、当ブログを開設しました。
このブログ(Economix)では経済学と大好きなガジェットを中心に情報発信しています。

そもそも「関税」って何?

関税とは、外国からの輸入品にかける税金のことです。

例えば、アメリカが中国から100円のTシャツを輸入しようとしたときに「関税を30%」かけると、実際には130円になります。これによって何が起きるのでしょうか?

  • 輸入品の価格が高くなる
  • 国内産業が有利になる(保護される)
  • 政府にとっては税収が増える

しかし同時に、デメリットもあります。

  • 消費者が高い価格で買わなければならない
  • 国際的な摩擦(貿易戦争)につながる
  • 結果的に他の国も報復関税をして、輸出が不利になる

今回のアメリカの政策も、国内の雇用や産業保護を目的にしていますが、国際的なリスクも伴います。

経済学の視点から見る「自由貿易 vs 保護貿易」

経済学では、国どうしの貿易において「「自由貿易」と「保護主義」」という対立があります。

【自由貿易】

  • 関税や制限を設けず、自由にモノをやり取りする
  • それぞれが「得意なもの」を生産し、交換することで全体の利益が大きくなる

【保護貿易】

  • 自国の産業を守るために関税などをかけて輸入を抑える
  • 雇用や安全保障などの観点から一定の保護は必要とされることも

自由貿易の基本理論として有名なのが「比較優位」という考え方です。

これは「ある国が相対的に得意なモノに特化して生産した方が、全体の効率が上がる」というもの。

この理論は200年以上前に経済学者デヴィッド・リカードによって提唱されましたが、今も多くの経済政策の前提になっています。

今の世界でなぜ「関税合戦」が起きるのか?

本来であれば、比較優位の理論に従って自由貿易が進めば、世界全体の利益は最大化されるはず。

それなのに、なぜ国同士が関税をかけ合って「貿易戦争」のような状態になるのでしょうか?

理由としては以下などが考えられます。

  • 国内の雇用や産業の衰退への不安
  • 政治的な圧力(選挙対策など)
  • 安全保障上の理由(特定国への依存回避)

つまり、経済理論だけでは語りきれない政治的・社会的背景が関税政策に影響を与えているのです。

「経済は理屈だけでは動かない」。この現実を知ることで、ニュースの見方が一気に深まります。

もっと知りたい人へ。国際経済学の世界へようこそ!

今回のニュースをきっかけに、「国際経済って面白いかも」と感じた方へ。

ここから少しずつ学びを深めていくのにおすすめの書籍をご紹介します。

まず読んでみたい入門書

  • 『国際経済学入門』(井尻直彦 他 著):初心者向けに理論と現実をバランスよく解説
  • 。『国際経済学をつかむ』 (有斐閣):僕はこれで初めて国際経済学に触れました

これから学ぶと広がるテーマたち

  • 為替と国際収支の関係
  • 経常収支・資本収支ってなに?
  • 世界貿易機関(WTO)の役割
  • 発展途上国と先進国の貿易格差問題

このブログでは、こうしたテーマを今後も連載形式で取り上げていく予定です。

ぜひブックマークして、経済ニュースと一緒に学びを深めていきましょう!

おわりに:ニュースを入口に、学びを続けよう

経済ニュースは難しそうに見えますが、「なぜ?」という疑問から経済学を学ぶ良いきっかけになります。

ニュースを読み解く力がつけば、投資やビジネス、日常生活にも役立ちます。

今後も、時事ネタを通して経済学をわかりやすく伝える記事をお届けしていきます。

ぜひ他の記事もチェックして、あなたの学びの旅を一緒に進めていきましょう!

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