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皆さんはダニエル・カーネマンという名前を聞いたことはあるでしょうか?
行動経済学を勉強している人はもちろん、心理学を勉強している人は聞いたことがあると思います。
行動経済学の巨匠であり、彼の功績なくして行動経済学を語ることはできません。
行動経済学を中心に紹介している当ブログでは外すことのできないテーマですね。
今回は彼の経歴や功績を紹介するとともに、現在の行動経済学への影響や著書を紹介していきたいと思います!
僕は一橋大学大学院の経済学研究科で行動経済学について研究していました。経済学の面白さ、社会での有用性を広げるため、当ブログを開設しました。
このブログ(Economix)では経済学と大好きなガジェットを中心に情報発信しています。
ダニエル・カーネマンの基本情報
まずは、彼がどのような経歴を歩んできたのかを軽く振り返りましょう。
彼は1934年にイスラエルで生まれ、アメリカに移住します。そして、心理学を学んで博士号を取得していきます。
その後、カナダにて教鞭を取るのですが、1978年にアメリカへ移り、オレゴン大学で行動経済学の研究を始めます。
2002年にはノーベル経済学賞を受賞しており、行動経済学の可能性が世界へと広がっていきました。
ノーベル経済学賞とは実際何なのか、今年の受賞者は誰なのかについては以下で紹介しています。
主要な業績
ノーベル経済学賞を受賞したような行動経済学界の巨匠のカーネマンですが、実際どのような研究をしていたのでしょうか?
ここでは彼の主要な業績と行動経済学への貢献を見ていきたいと思います。
行動経済学は伝統的経済学に心理学の要素を加え、「より人間に即した経済理論を見出そう」という学問です。
カーネマンは心理学畑の人間ですから、その知見を存分に生かして研究をしていったわけです。
カーネマンで有名な業績としては、「プロスペクト理論」と「ヒューリスティック」などが挙げられるのではないでしょうか?
それぞれの概要を見ていきましょう。
プロスペクト理論
プロスペクト理論は行動経済学の理論の中でもなかなか有名な理論です。
確率によって利益を得られたり、損を被ったりするくじ引きがあったとしましょう。この時、人の価値判断は数学的に正確ではなく、楽観的に判断してしまったり、悲観的になってしまったりします。
プロスペクト理論は、この乖離を価値関数と確率ウェイト関数の2種類の関数を組み合わせて説明しています。
数式やグラフが登場して少し難解になりますが、興味がある方はこちらで紹介をしています。
期待効用理論→アレのパラドックス→プロスペクト理論の順で辿ってもらうのが理解しやすいと思います。
ヒューリスティック
もう1つの有名な業績はヒューリスティックについての研究です。
ヒューリスティックとは「直感による判断」を表します。
伝統的経済学の世界では「人間はみんな一瞬で正確な計算ができて最大限に利益が得られる選択をしているんだ!」というとんでも仮定が置かれています。
しかし、人間そんなに考えて行動しているわけではありません。実際には直感に従って行動している部分があるのです。
そして、その直感には経済学的には合理的ではない部分が多くあるのです。
その経済学的には「非合理的」な部分、つまり限界合理性をうまく捉えていこうとしたのがこの分野になります。
ヒューリスティックについてもこちらで紹介しているのでぜひご覧ください!
代表的な著書
彼の書いた著書は日本でもいくつか販売されているので合わせて紹介していきます。
少し前に注目を集めていたので、ご存じの方もいるかと思いますが、有名どころでは「ファスト&スロー」という本があります。
上記で紹介してきたようなプロスペクト理論やヒューリスティックを具体的な例を持って理解することができます。この本からどのような認知バイアスが発生しているかを学ぶのが良いでしょう!
起業家や投資家など様々な人から注目を集めている本ですので、ぜひ確認してみてください!
その他注目の本としては「NOISE」になります。こちらは「ファスト&スロー」の後続本というイメージになるかと思います。
ファスト&スローにて紹介、明らかになった認知バイアスに対して、議論を深めていっています。前作からより深く学びたい人はぜひお手に取ってみてください!
その他にも著書があるので、関心がある方はこちらも以下からご確認ください!
ダニエルカーネマンの本一覧現在の行動経済学への影響
初めにも述べたとおり、彼はこれらの業績によってノーベル経済学賞を受賞します。
受賞理由は「心理学的現象を経済学に持ち込み、個々の意思決定や市場の機能に関する新しい理論的および実証的アプローチを開拓した」とのことです。
これによって、行動経済学の門戸が開かれ、注目が集まるようになったのです。
彼の意思決定に関する研究は意思決定論として現在も引き継がれており、経済学の重要な研究分野となっています。
まとめ
今回は行動経済学の巨匠、ダニエル・カーネマンについて紹介しました。
彼の功績があったからこそ、現在の行動経済学があると言っても過言ではないでしょう。
ぜひ、彼の著書や、行動経済学の教科書などを通して、奥深くて面白い行動経済学の世界を堪能していただければ幸いです!