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世の中には行動経済学の本がたくさんあり、ナッジをテーマにした本もいくらか出ています。
そんな中から、今回はナッジに関する下記の書籍を紹介したいと思います。
リバタリアン・パターナリズムについて知りたい人におすすめの本です!
この本の特徴は、他のナッジの例や活用に着目した本と異なり、「リバタリアン・パターナリズムの思想を中心に据えて議論をおこなっている点」にあります。
極論ですが、リバタリアン・パターナリズムを知らずにナッジを語っている人は全く理解できていないと言っても差し支えありません。
この本はナッジの核であるこの思想に依拠しているため、読むことでナッジを本質的に理解できるのではないでしょうか。
僕は一橋大学大学院の経済学研究科で行動経済学について研究し、卒業しています。卒業後も勉強を続け、このブログ(Economix)で行動経済学を中心に情報を発信しています。
本の詳細
ナッジ!? 自由でおせっかいなリバタリアン・パターナリズム
著者:那須耕介・橋本努(編著)
出版社:勁草書房
2020年5月20日発売
おすすめしたい人
この本はナッジについてある程度見聞きしたことがある人・リバタリアン・パターナリズムについて学びたい人におすすめです。
この本では「ナッジ」自体についての解説はほとんどされません。p.3,4にてさらっと紹介されているくらいです。そのため、「ナッジ聞いたことはある」程度の人にはおすすめできません。何を言っているのだろうか、、、。という感想になる可能性すらあります。
ナッジ自体について学びたい人は以下の本がおすすめです!大学院で研究するにあたり、何度も立ち返ったバイブルのようなものでした!物語的にナッジとは何か理解できるかと思います。
一方で、ナッジをある程度見聞きしたことのある人の課題となってくるのが「リバタリアン・パターナリズム」への理解です。
冒頭でも述べた通り、リバタリアン・パターナリズムを知らずにナッジを語っている人は何も理解できていません。
ただ正直、この思想を説明している書籍はなかなか店頭に並んでおらず、行動経済学の本を手に取っても詳しい説明はなされていないことがほとんどです。
しかし、この本は「リバタリアン・パターナリズムを軸」にして書かれています。そのため、どのような背景で出てきた概念なのか、ナッジの問題とはといった視点が多く散りばめられています。
本の構成
はじめにで、ナッジ概要と本の目的が語られます。
そして、第1章へと進んでいきます。
第1章では卑近な例として「肥満」を取り上げます。しかし、他の本とは異なり、ナッジを使えば解決できるかも!という内容ではありません。リバタリアン・パターナリズムの観点から、どのような規制がなされるべきか、そうした議論が進められます。
そして、第2章では「そもそもナッジってどうあるべきなのか」という点について見つめ直すこととなります。その考えに立脚しつつ、第3章以降では「自由」や「民主政」といった思想に視点が移っていきます。
ここまでで、ナッジ周辺にある思想の概観が説明されることとなります。
そして、とうとう第7章、第8章にて「リバタリアン・パターナリズム」そのものにメスを入れていきます。
リバタリアニズムとは、パターナリズムとは、こうした疑問点がどんどんと解決されていくはずです。そしてナッジは単なる「問題解決法」ではなく、経済思想に立脚した「経済思想に依拠する社会厚生を高める術」であるということが見えてくるでしょう。
まとめ
今回は「ナッジ!? 自由でおせっかいなリバタリアン・パターナリズム」をご紹介しました。
この本はナッジについてある程度見聞きしたことがある人・リバタリアン・パターナリズムについて学びたい人におすすめです。というか、これらの人で読んでいない場合は必読です。
リバタリアン・パターナリズムを正しく理解して、表面でしかナッジを理解していない人と差をつけてしまいましょう!
ただ、少し難解な思想であるのも事実です。
こちらの記事でリバタリアン・パターナリズムの概要を解説しているので、ご参考にしてください!