2023年度ノーベル経済学賞発表!

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本日はノーベル経済学賞発表の日でした!
残念ながら日本人の受賞は叶わず、アメリカのクラウディア・ゴールディン教授が受賞となりました!

参考

そんな話題の彼女の著書はこちら!

ということで、今回は知っていそうで案外知らないノーベル経済学賞についてみていきたいと思います。

僕は一橋大学大学院の経済学研究科で行動経済学について研究していました。経済学の面白さ、社会での有用性を広げるため、当ブログを開設しました。
このブログ(Economix)では経済学と大好きなガジェットを中心に情報発信しています。

ノーベル賞とは

ノーベル賞は、スウェーデンの発明家であるアルフレッド・ノーベルによって設立された賞です。「人類に最大の貢献をもたらした人」という基準で選定されており、毎年6つの分野にそれぞれ授与されています。

始まったのは1901年からで、10月頭ごろに受賞者が決定され、ノーベル氏の死去した12月10日に授与式が開かれます。

各分野とその選定基準は以下のとおりです。

分野選定基準
物理学賞物理学の分野で顕著な業績を達成した科学者や研究者に授与される。
宇宙論、素粒子物理学、電磁気学、熱力学など
化学賞化学の分野で重要な貢献をした個人または研究グループに授与される。
有機化学、無機化学、生化学、物理化学など
生理学・医学賞医学や生理学の分野での功績に対して授与される。
新しい医薬品の開発、疾患の治療法の発見、生体の仕組みの理解など
文学賞文学作品に対する優れた貢献をした作家や詩人に授与される。
小説、詩、劇、エッセイなど
平和賞国際的な平和と協力に対する顕著な努力や貢献に授与される。
国際的な紛争の解決、武力紛争の防止、人権の促進など
経済学賞済学の分野で優れた業績を上げた研究者に授与される。
経済学の理論や実務への貢献

ノーベル経済学賞

ノーベル賞は先ほど紹介したように1901年に始まったのですが、ノーベル経済学賞は実は途中から追加された賞なのです。

ノーベル経済学賞は1968年にスウェーデン国立銀行によって創設された新しい賞です。それもあって、正式名称は「アルフレッド・ノーベル記念経済科学スウェーデン国立銀行賞」であり、他のものとは少し毛色が異なります。

経済学賞の主受賞者の一覧は以下のとおりです。

受賞者受賞理由
1970ポール・サミュエルソン古典的な経済学の理論と現代の数学的方法を組み合わせ、一般均衡理論の発展に貢献
1976ミルトン・フリードマンインフレーションと失業のトレードオフを強調し、中央銀行がマネーサプライを制御することの重要性を強調
1998アメルティア・セン「開発経済学」で活躍し、貧困、福祉、発展に関する業績が評価された
2013ロバート・シラーバブルの崩壊や金融危機についての理解を深め、市場の効率性に対する疑問を提起
2019アビジット・バナジー
エスター・デュフロ
マイケル・クレマー
開発途上国での教育、健康ケア、貧困削減に関する実験的アプローチによって、政策の効果的な設計に貢献

このように、理論経済学からマクロ経済学・開発経済学など経済学の様々な分野に対して授与されています。
このブログの中心である行動経済学だって例外ではありません

受賞者受賞理由
2001アカロフ情報の非対称性に関する研究
2002カーネマン行動経済学に関する先進的な研究を行い、プロスペクト理論を提唱した
スミス実験経済学の発展に貢献
2017セイラー行動経済学の発展に貢献

アカロフとスミスについては直接的に行動経済学に関係しているわけではありませんが、含めてみました。

アカロフは情報の非対称性の分野から、文化による振る舞いの差異について分析を行い、この後にアイデンティティ経済学について研究を行います。行動経済学にも大きく影響を与える分野です。日本でもいくつかの書籍が出版されており、以下の2冊が特に有名です。

スミスは実験経済学という分野にアプローチしています。これは、経済学の理論や数式のみの世界から飛び出して、実際の人間に対して実験を行い、その振る舞いを観察するという分野です。

行動経済学は、それによって見出された理論との差異(伝統的経済学的に不合理な点)を見つめていく学問なので、実験経済学と行動経済学は切り離すことはできません
スミスとは関係ありませんが、下記の本などが実験経済学に触れる良い機会になるのではと思います。

2023年の経済学賞は?

このように様々な分野に対してノーベル経済学賞は授与されているわけです。
では、2023年のノーベル経済学賞はどうだったのでしょうか?

今年はアメリカのハーバード大学のクラウディア・ゴールディン教授へ授与されることが決まりました!
受賞理由は「男女間の格差是正への貢献」です。昨今の時代の潮流にも乗っており、経済学的にも大きな問題に取り組んでいますね。

ノーベル経済学賞の女性受賞者は3人目ということです。

そんな彼女の研究分野は「男女の経済格差」であり、社会の中で女性が経済活動をどのように獲得していったのかの歴史や、経済格差是正への探究を行っています。

また、女性の格差のみでなく、ハーバード大学では「家族と仕事の経済学的関係」や「教育と経済」「経済史」について講義をしているようです。

本や論文も毎年複数出されています。
日本では今のところ、一冊出版されています。この後話題になると思いますので、今のうちにお手に取っておくことを強くお勧めします!

こちらの書籍や、彼女の最近の研究については近いうちに別記事でご紹介したいと思います!

まとめ

本日、ノーベル経済学賞が発表され、クラウディア・ゴールディン教授が受賞されました。
そんなノーベル経済学賞は他のノーベル賞とは少し異なる歴史を持ちます。

彼女は昨今、ようやく問題視され始めている男女の経済格差にアプローチしており、今後の経済学のみでなく、社会の発展へ大きな影響を与えるのではないでしょうか?

この機会に彼女の著書をお手に取って、今一度男女格差について考える、そんな時間を設けていただければと思います。

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