経済学を勉強するには

経済学
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今回は経済学を勉強する上で、どのように進めていけば良いかについてお話しします。

大学で経済学を勉強している人、経済学に興味があって独学で勉強している人、資格試験のために経済学が必要な人など、様々な人がいるでしょう。

初めて勉強するとなると、どこから手をつければ良いのかがわからないのではないでしょうか?

今回は一般的に通じる勉強の進め方について紹介していきたいと思います!
経済学の勉強方法はどの様な感じなのか、参考にしていただければと思います!

どのような形で勉強しようとしている人にとっても十分役立つ内容にはなるかと思います。

僕は一橋大学大学院の経済学研究科で行動経済学について研究していました。経済学の面白さ、社会での有用性を広げるため、当ブログを開設しました。
このブログ(Economix)では経済学と大好きなガジェットを中心に情報発信しています。

経済学の概観を知る

漫然と勉強を進めようとしても、おそらくどこから学べば良いのか、どういった順番で学べば良いのかが見えて来ずに、なかなか勉強を進めることができないのではないかと思います。
一口に「経済学」といっても、実はかなりの分野に分かれており、単に学ぼうとしても始め方が分かりにくいのです。

そこで、まずは簡単に経済学の全貌を知っておくのが良いと考えます。
その中で経済学とはなんぞやというのが見えてきて、やりたいこと、やるべきことが明らかになります。

入門として、経済学全般の雰囲気を学ぶことができる以下の本を手に取ってみるのをお勧めします。

これは、タイトルにもあるように簡潔に経済学の概要をまとめており、中核をなすミクロ経済学やマクロ経済学の雰囲気を知ることができます。更に経済史や経済事情についても知ることができます。

文字数もかなり少なく、図解が多いため「サクッと」学ぶことができます。

目標を決める

 なんとなく経済学がどのようなものか分かったら、次に目標を決めます。先ほどの本で出てきた内容以上にも経済学には様々な分野があり、目標を決めないと取り組めたものではありません

例えば、計量経済学に興味があるだとか、ファイナンスについて学びたいだとか、経済ニュースがわかるようになりたいだとかです。資格のために勉強する必要がある人もいるでしょう。

経済学の分野の例については以下になります。ここからまず面白そうな分野を見出していくのが良いでしょう。

特にこれといった目標もないな、、、という人はマクロ経済学・ミクロ経済学を目標にしてみてください。

分野概要
ミクロ経済学個人に注目したお金の流れを捉える分野。経済学の基礎。
マクロ経済学社会全体のお金の流れを捉える分野。
計量経済学実際の数値を使って実証的に経済学の理論を検証する分野。統計学や数学を用いる。
公共経済学政府が行う政策(課税や公共事業など)によって経済資源がどのように動くのか捉える分野。
国際経済学多国間関係によって経済がどのように動くのか捉える分野。
経済史経済学の発展過程を学ぶ分野。歴史の流れに沿って出てくる様々な経済思想を捉え、比較する。
行動経済学経済人の仮定を持たず、より人間に寄り添った経済理論を探索する分野。
ファイナンス為替市場など、金融における理論などを検証する分野。

目標への道を立てる

目標が立てば、目標に向けた道を考えていくことになります。

経済学では基礎となる分野があり、それを学んでいることが前提となっている教科書なども存在します。初めから教えてくれる場合であっても、それら基礎を固めておくことで学習効率や理解度に差が出てきます。

そのため、パスとしては「基礎」→「目標への経過点」→「目標」といった流れになるでしょう。
ここでいう基礎というのは、経済学を勉強していく上で必須の「ミクロ経済学」と「マクロ経済学」を指します。

それでは、ここでは計量経済学を例に取って見ていきましょう。
計量経済学は経済学において理論的・数学的アプローチに立脚して打ち立てられた理論を統計学的アプローチによって検証し、実社会への理論の当てはまり具合を検証していく学問です。

まずは、基礎である「ミクロ経済学」と「マクロ経済学」を勉強します。こちらについては、お勧めの勉強について後ほど見ていきたいと思います。

次に、数学を勉強する必要があります。計量経済学は統計学を用いるため、数学の知識が必須となります。基本的な計量経済学の知識を目的とする場合は、高校で学ぶ数学程度の知識で十分です。
もしより高度な計量経済学を勉強したい場合は数学の知識がより求められることとなります。

数学の基礎が固まったら、統計学について勉強を行います。この点については計量経済学の学習と重複する点もかなり多いので、割愛してしまっても良いかもしれません。
しかし、計量経済学をしっかりと学びたい場合は、計量経済学の学習で飛ばされがちな、各統計的手法の数学的証明を知っている方が良いと思います。厳密性がものを言う分野なので、、、。

ここまできて、計量経済学の勉強になります。店頭に並んでいる書籍で勉強を進め、索引や引用をもとに学習を深めていくことになります。

以上が目標への道のりになります。

基礎の勉強について

それでは、共通する基礎についてと、多くの場合必要となる数学の勉強について見ていきたいと思います。

基本的にはそれぞれ基礎となる教科書を勉強し、演習を通して理論を理解していく流れとなります。
ここではそれぞれ代表的な教科書を取り上げていきたいと思います。

ミクロ経済学

ミクロ経済学については以下のものがお勧めです。

こちらのマンキュー経済学シリーズ最も有名な教科書なのではないでしょうか?特に難しい数式等もなく、網羅的にミクロ経済学を学ぶことができると思います。

有名な教科書だけあって、途中に出てくる演習問題に対する解答や解説がネットに転がっています。これによって、より効率的に理解を深められると思います。

個人的にはこちらの「ミクロ経済学の力」もおススメです。応用的内容まで網羅的に書いている本ではあるのですが、平易な日本語や、丁寧な解説で特に難なく読み進めることができました。

大学院受験の際もこちらを見て勉強することもあったほどです。また、別冊で「ミクロ経済学の技」と言う演習本もあるので、こちらと合わせて学習を進めることでより基礎力を養うことができます。

マクロ経済学

続いてマクロ経済学です。

こちらについてもやはりマンキューが一番有名で、基礎を分かりやすく学ぶことができます。ただ、マクロ経済学には様々な考え方が存在し、一概にこのマンキューがベストとも言うことができません。

こちらはマクロ経済学らしく、「全体」について着目して進められているように感じます。元から全体ありきのテキストといった感じです。しかし、経済学の世界では「ミクロ経済学に動機付けられたマクロ経済学」という考え方もあり、その視点ではこのテキストはあまり合いません。

その視点で見たときはこちらの二神先生と堀先生の「マクロ経済学」が良いでしょう。それこそ、一橋大学のマクロ経済学の基礎科目ではこちらのテキストが参考図書として用いられています。

内容的には少し難しく感じるかもしれませんが、先にミクロ経済学を学習し、腰を据えて学ぶことで理解できると思います。

更にいうと、このテキストで勉強しているとなると「お、ちゃんと勉強しているな」と思ってもらえると思います。

数学

数学についてです。

こちらはタイトルからもわかるように、経済学で用いられる数学を学ぶことができます。経済学で使う数学の基礎レベルとしてはひとまずこちらを押さえておけば十分といった感じです。

また、「高校数学から」とありますが、初めは比例から始めてくれるなど、中学レベルの内容から学ぶことができます。
これだけ聞くと簡単なテキストに感じますが、最終的には微積分などにもしっかりと学ぶことができるので、十分な内容と言えるでしょう。

各章の演習問題も経済学を踏まえた問題になっているので、各計算をそれぞれの経済理論と結びつけて理解できる点も優れています。

より発展的に経済数学を学びたい場合はこちらになります。

先ほどの本は数学を経済学で使いこなすことを目的としていましたが(演習が中心)、こちらは数学の理論をちゃんと学ぶことができます。

勿論、数学単体で学ぶのと比較すると経済学へ焦点を当てているため網羅性があるわけではありません。しかし、今後より発展的な理論を学ぶにあたっては必要な知識となってくるので知っていて損はない内容です。

それこそ、統計学や計量経済学をしっかり学ぶにはこれくらいの知識は必要最低限となってくるのではないでしょうか。

まとめ

ここまで、経済学を勉強するにあたっての流れと、基礎となる科目の勉強について見てきました。

まずは経済学の全体像をざっくりと学び、その後目標を定めます。そして目標達成に向けてのパスを考えていくこととなります。
そして、まずはミクロ経済学・マクロ経済学で基礎を固め、目標に突き進むことになります。

個人的にはミクロ・マクロ自体重要な科目ですので、この「2つを勉強する」というのを第一段階の目標と据えてみるのがおススメかなと思います。

今後、個々の分野についての紹介と勉強方法についても解説できればと思います。

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