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今月の頭にノーベル経済学賞の発表がありましたね!
今年のノーベル経済学賞を受賞されたのはハーバード大学で研究を行っているクラウディア・ゴールディン教授でした。
彼女は男女の賃金格差について研究を行っており、経済学においてもその問題の大きさが重視されたため、受賞に至りました。
そんな彼女の研究は世界中で注目を集めており、日本も例外ではありません。
今回は、彼女の著書の内、日本で販売されている本について紹介していきたいと思います!
昨今の経済界の動きや社会情勢を知るには必読の本だと思います!
僕は一橋大学大学院の経済学研究科で行動経済学について研究していました。経済学の面白さ、社会での有用性を広げるため、当ブログを開設しました。
このブログ(Economix)では経済学と大好きなガジェットを中心に情報発信しています。
本の詳細
なぜ男女の賃金に格差があるのか
著者:クラウディア・ゴールディン
訳:鹿田晶美
出版社:慶應義塾大学出版会
2023年5月1日発売
おすすめしたい人
まずおすすめしたい人は、最近の経済学情勢を学びたい人です。冒頭でも述べた通り、彼女は今年のノーベル経済学賞を受賞しており、賃金格差は今後の経済学において重要な論点になると思われます。
その彼女の著書であるため、潮流を知るために必読であると思います。
次におすすめしたい人は「労働経済学」を研究・勉強している人です。本書は男女の労働を取り巻く問題や価値観に着目しており、労働経済学を学ぶ上で押さえておきたい点であると考えています。
そして、男女の平等に興味がある人です。タイトルからもわかるように、本書は男女の賃金に関する不平等をテーマにしています。その不平等がなぜ生まれたのか、今後の解消の余地は、そうした視点を得る上で打ってつけな本だと思います。
本の構成
何度も言うように本書は「男女の賃金格差」をテーマとしており、その発生の原因、解消されない理由について探究を行っています。
とはいえ、100年以上前と現在の賃金格差や労働環境はもちろん異なっています。
現在の日本を見てもわかるように、昔は外で働くのは男だというのが社会的に一般的でしたが、現在は女性も働いています。
では、どうしてそのような社会変化が起こっていったのか。本書ではこの100年を5つのグループに切り分け、それぞれのグループ間の特徴を洗い出していきます。
そして、どのような変化が起こってきたのか「家庭」と「キャリア」2つの観念に対して女性の振る舞いがどう変化したのか、を見つめていくわけです。
女性の労働環境はこの100年で大きく変わりましたが、現在でも男女の格差は存在します。ではなぜその格差が存続し続けるのか。
この点については後半から語られ、その原因や解消されない理由について探究を進めます。
感想
これまでマクロ経済学やミクロ経済学・計量経済学などの理論理論した経済学ばかりを勉強していました。そのため、本書のような政治的・社会課題的経済学書をあまり読んできておらず、新鮮に感じました。
僕は男で、結婚もしていないため、能動的に学びにいかないとなかなか意識できないテーマです。それについて、社会の変容や現在の課題、そしてコロナ禍の関係などを一気に知ることができたのは良い機会でした。
また、単に理論や統計のみによって構成された本ではなく、実際の女性の経験をふんだんに盛り込んでおり、「社会問題だ」とより鮮明に感じやすく・わかりやすくなっているのが良いポイントであると感じました。
今後、結婚したり、会社で役職が上がってりすると、男も考えていく必要のあるテーマなので、度々立ち返っていきたいと思います。
まとめ
今回はノーベル経済学賞受賞者のクラウディア・ゴールディン教授の「なぜ男女の賃金に格差があるのか」を紹介しました。
実際の女性の体験を盛り込んでいたり、100年を細かく分析したりと、非常にわかりやすい本となっています。
これからの社会を考えていく上で非常に重要なテーマですので、ぜひみなさんにも読んでもらいたいと思います。