【初心者向経済解説】トランプ政権の「追加関税」はどこに向かうのか?世界経済の火種をわかりやすく解説

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はじめに|関税が世界経済のキーワードに

2025年、ドナルド・トランプ氏が再びアメリカ大統領に就任したことで、再び注目を集めているのが「追加関税」です。トランプ氏は過去の政権でも、貿易赤字の是正や国内産業の保護を掲げ、各国に高関税を課してきました。

昨今では、日本にも24%の相互関税が課されたり、自動車産業への課税等が大きな話題となっています。

今回は、初心者の方にもわかりやすく、関税政策の基本から現在の動き、各国への影響までを解説します。

僕は一橋大学大学院の経済学研究科で行動経済学について研究していました。経済学の面白さ、社会での有用性を広げるため、当ブログを開設しました。
このブログ(Economix)では経済学と大好きなガジェットを中心に情報発信しています。

関税ってなに?初心者向けにざっくり解説

そもそも、関税とは何なのでしょうか?

端的に言うと、海外から商品を輸入する際に、その価格に上乗せしてかかる税金のことです。
例えば、日本がアメリカから牛肉を輸入する際に、政府が「関税」をかけると、その分だけ価格が高くなります。

では、なぜ関税をかけるのでしょうか。

• 自国の産業を守るため(=保護主義)
• 外国からの過剰な輸入を制限するため
• 他国との交渉カードとして使うため

トランプ氏の政策は、特に3番目の「関税=交渉材料」という使い方が目立ちます。

トランプ政権の関税政策とは?

では、今回の関税政策のポイントはどのあたりにあるのでしょうか?
2点に絞ってみていきましょう。

ポイント1:ターゲットは中国が中心

前回の政権(2017〜2021年)では、トランプ氏は中国製品に対して最大25%の関税を課し、米中貿易戦争が勃発しました。

今回はその延長戦ともいえる内容で、特に次の分野が注目されています:

• 半導体関連(サーバー、チップなど)
• 電気自動車(EV)やバッテリー
• 通信機器(5G関連など)

既に、中国に対する関税は50%以上が表明されています。
また、中国の報復関税次第では更なる引き上げを辞さない姿勢をトランプ氏は表明しています。

この米中貿易戦争が今回の大きな論点となることは自明でしょう。

ポイント2:同盟国にも容赦なし

意外かもしれませんが、トランプ政権は日本やEUなどの同盟国にも関税を課す姿勢を見せています。

対象になりやすいのは:
• ドイツや日本の自動車(高関税の検討)
• 韓国の電子機器やパネル
• カナダやメキシコの鉄鋼・アルミ
等です。

更にはナイキ等の衣服の向上を多数持つベトナムも高い関税が課されることとなり、ニュースになっています。
米国に対し、安い値段で同盟国の製品が流入してきている状態、米国製品が反面同盟国で売れない状態に対する姿勢であると考えられます。

なぜ関税を使うのか?政治と経済の狭間

トランプ氏が関税を使うのには、経済以外の目的もあります。
以下にいくつか例を並べてみます。

目的内容
経済の再建アメリカの製造業や農業を守り、雇用を生み出す
政治的アピール支持層(中西部・ラストベルト)に「戦っている姿勢」を見せる
外交・安全保障戦略特定の国に圧力をかけ、軍事や移民問題と連動させる

つまり、関税は経済政策でありながら、強い政治ツールとしても活用されているというのがトランプ氏の特徴です。

関税が世界に与える影響は?

1. サプライチェーンの混乱

国境を越えて製品を作るのが当たり前になった今、関税がかかると部品調達や価格設定に大きな混乱が生じます。

たとえば、スマートフォン1台の中にも十数か国の部品が使われているため、どこか1か国に関税がかかるだけでコストが増えます。

実際、今回の関税処置を受けてAppleの株価は大きな下落を見せ、市場からも懸念が示されています。

また、これらサプライチェーンの混乱を受け、雇用にも影響を及ぼす可能性も考えられます。

2. インフレ(物価上昇)圧力

関税をかけると輸入品が高くなり、それを使う国内商品も値上がりします。

これは、アメリカ国内でもインフレを助長する要因になり、低所得層ほど負担が重くなります。

3. 報復関税の応酬

関税は一方的にかけられるわけではありません。

「対象国も対抗してアメリカ製品に関税をかけ返す(=報復関税)」ため、貿易全体が縮小する可能性も。

今後の注目ポイント|関税ニュースを読むための視点

これからニュースで関税関連の話題が出てきたら、次の点に注目してみましょう。

関税を課す理由が「経済」か「政治」か?
対象となる国や産業はどこか?
報復の可能性があるか?
日本への波及がありそうか?

これらの視点を持つだけで、ニュースの理解度がぐっと上がります!

おわりに|経済を読み解く力が重要な時代へ

関税は「専門的で難しい話」と思われがちですが、実は私たちの日常の物価や雇用にも直結するテーマです。

とくにトランプ政権下では、関税が「経済だけでなく政治的なメッセージ」としても使われるため、今後の動きにも注目が集まります。

これを機に、ぜひ経済ニュースを「読み解く力」を身につけていきましょう!

関税についての書籍はいくつか出ています。以下参考にいくつか掲載しています。

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