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昨今、行動経済学への注目が高まっています。行動経済学は「人の行動の行動により即した経済学」として登場しました。そして、研究を進めるにつれて人々の損している部分をナッジで是正できないかという動きが出てきます。
昨今の行動経済学への注目はこのナッジが中心になっているのではないでしょうか?本来は人々の行動を良い方向へ導くことでした。しかし、ビジネスの場へ活かせるのではないかという側面からどんどんと注目が高まっているように思われます。
今回は、行動経済学を正しく理解する上で是非初めに読んでいただきたい本を紹介したいと思います。いきなり行動経済学の教科書や、行動経済学の解説本から読み始めてしまうと、実は重要だった部分を軽く流してしまい、後々苦労することになります。僕はまさにその流れで、研究途中で一度今回紹介する本に立ち戻りました。
なので、ぜひこれらの本を手に取って、行動経済学の裏にある背景や発展の過程などを肌で感じてもらいたいと思います。初心者こそこうした背景を理解しておく必要があり、後々の理解が早くなると思います。読みやすく、分かりやすい本ばかりなので、是非お手に取ってみてください!
僕は一橋大学大学院の経済学研究科で行動経済学について研究していました。経済学の面白さ、社会での有用性を広げるため、当ブログを開設しました。
このブログ(Economix)では経済学と大好きなガジェットを中心に情報発信しています。
①予想どおりに不合理-行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
初めにご紹介する本はダン・アリエリーによる『予想通りに不合理:行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』です。ダン・アリエリーは行動経済学人気の火付け役の人物で、行動経済学を学ぶ上で必ずと言って良いほど登場する人物です。そんな彼の1冊目。
我々の生活に卑近な例をとって様々な実験を紹介してくれます。普段何気なく行っていることに着目してみると実は「不合理」なことが潜んでいることがわかります。その面白さをまずは味っていただけるのではないかなと思います。その面白さこそが行動経済学の原動力なのです。
この本から行動経済学の世界に入るのがおすすめです!大学院の教授にも言われたので間違いないはず、、、笑
②不合理だからすべてがうまくいく-行動経済学で「人を動かす」
こちらもダン・アリエリーによる本。2作目です。こちらについても前作同様「不合理」について注目した本になっており、様々な例を取り上げてくれています。構成としては、前半に仕事など社会における場で生じている「不合理」を取り上げ、後半では生活の中での「不合理」を取り上げています。特に、後半ではダン・アリエリーが大火傷を負って得た経験を踏まえた内容になっており、大変面白い本となっています。
そして、前作との大きな違いは「すべてがうまくいく」という部分です。前作は不合理の理由などを探索するものでした。こちらは不合理がどのように生活で「うまく」働いているのかに注目した作品といえるでしょう。
人間の行動を正確に捉えるためには様々な角度から物事を見ていく必要があります。是非前作と合わせて読むことをおすすめします!それで行動経済学のバックグラウンドはあらかた固まってくると思います。
③ナッジで、人を動かす-行動経済学の時代に政策はどうあるべきか
こちらはナッジについての本で、ロバート・セイラーとキャス・サンスティーンによる共著。セイラー教授はナッジでノーベル経済学賞を受賞しています。そんな方々がナッジについてまとめた本になっています。
内容としては、①、②と同様卑近な例を紹介し、日常に潜む不合理を突き詰めていきます。しかし、この本の特徴は「ナッジ」です。それら問題に対してナッジをいかに用いて是正できる可能性があるのか、それを示してくれます。まず初めにナッジがどういったものかを掴む良い場になるのではないでしょうか。
ビジネスなどでナッジを使えたらなあという人にとっても、数多くのナッジの可能性が提示されており、ナッジを思いつくきっかけになるかもしれません。「まずはナッジに触れてみる」にちょうど良い一冊です!
そもそもナッジとはなんだという人はこちらをご参照ください。
④経済は感情で動く-はじめての行動経済学
こちらも不合理について身近な例を紹介する本です。僕が行動経済学を勉強し始め、教科書などをいくつか読んだ後に手に取った読み物になります。
これまで上げてきた1ページあたりの文字数がそこまで多い印象がなく、さらっと読める一冊です。ここから行動経済学の世界に入り始めるのも大いにありだと思います。また、タイトルにもあるように「行動経済学」という学問を意識した本となっています。これまでの本より行動経済学を近く感じられるのではないでしょうか。
これまでの本は避けては通れない必ず登場する本なのですが、こちらはそういう訳ではありません。しかし、先に述べたように「様々な視点から観察する」というのは行動経済学で最も大切な考え方です。この本を通して、そういう見方があるのか!という発見もあるはずなので、ぜひ手に取ってもらえればと思います!
⑤世界は感情で動く-行動経済学からみる脳のトラップ
こちらは④の続編となります。続編が出ていることからもこれら2冊の人気っぷりがわかるでしょう。前作は経済における不合理に着目したものでしたが、今回は範囲が広がってより社会に潜む不合理について言及したものとなっています。
行動経済学は「経済」と付いていますが、必ずしもお金の動きのみに着目したものではないのです。経済学では「効用」という満足感を扱うのですが、満足感はお金だけから得られるものではありません。健康や食、嗜好品、様々なものから人々は満足感を覚えます。そこで損をしてしまっていれば、それは行動経済学の範囲となるのです。
そのため、本作は経済だけではない、幅広い場面での行動経済学の可能性に視野を広げてくれるものといえると思います!何度でも繰り返しますが、行動経済学では「視野を広く、様々な視点を持つ」これが非常に大切です!
まとめ
以上、行動経済学を勉強するにあたってまず初めに読み物としておすすめの本をご紹介してきました。巷には「行動経済学入門」と謳った本が多数あり、そちらから手に取りがちです。しかし、一度これらおすすめの本を手に取ってから入門書に臨むと、理解がグッと進むと思います。
ぜひ、「身近な例」にたくさん触れてみて、様々な「行動経済学らしい視点」を体感してみてください!きっと行動経済学の魅力に気づくと思いますよ。